デイサービスでトラブルが起きたとき 家族が確認したい対応の順番
デイサービスから帰った家族が「もう行きたくない」と話したり、持ち物が見当たらなかったりすると、不安になります。最初にすることは、本人の話を聞き、安全や健康への影響がないか確認することです。
「慣れれば解決する」と一律に様子を見るのではなく、何が起きたのか、次の利用までに何を変えるのかを施設と共有しましょう。
安全に関わることは先に対応する
けが、強い痛み、意識や呼吸の異常などがある場合は、施設への苦情より医療対応を優先します。緊急なら119番へ連絡してください。暴力や虐待が疑われるなど、次の利用にも不安がある場合は、施設だけでなくケアマネジャーや市区町村の担当窓口へ早めに相談します。
一方、説明の食い違いや物品の行き違いでは、起きた日時と内容を整理することが解決の助けになります。本人の話と家族が実際に確認したことを分けて記録します。
行きたくないと言われたとき
「どうして嫌なの」と一度に理由を求めるより、「送迎が長かった」「疲れた」「嫌な言い方をされた」など、本人が話せるところから聞きます。認知症があっても、訴えを初めから事実ではないと扱わないでください。
施設へは、どの場面でどのように過ごしたか、食事や休憩、他の利用者とのやり取りに変化があったかを確認します。本人の説明と施設の説明が違う場合も、どちらかをすぐに否定せず、確認できた内容を整理します。
| 気になる点 | 施設と相談する変更の例 |
|---|---|
| 疲労が強い | 休憩、活動量、利用時間の見直し |
| 人間関係がつらい | 座席、活動グループ、利用曜日の調整 |
| 送迎が負担 | 乗車時間、乗降方法、声かけの確認 |
| 活動が合わない | 個別の過ごし方、参加しない選択の確保 |
調整後は、いつ振り返るかを決めます。安全面の懸念がある場合は、継続を前提にせず、利用を控えることや他施設の検討も含めて担当者と相談します。
眼鏡や補聴器などが見当たらないとき
最後に確認した場所、持参した時刻、名前の表示、持ち物の特徴を伝え、施設内や送迎車での確認を依頼します。紛失なのか、置き場所の変更なのか、他の荷物への混入なのかを順に確認します。
眼鏡や補聴器は生活を支える道具です。高価だからという理由だけで一律に持参を避けたり、常に預けたりすると、本人が困る場合があります。使う時間、外す場面、保管場所、返却確認を施設と決めておく方が実用的です。
紛失や破損時の説明、調査、補償の扱いは契約内容や事実関係によって異なります。施設の責任を最初から決めつけず、記録と対応方針の説明を求めます。
他の利用者との言い合いや接触があったとき
まず本人のけがや気持ちを確認し、職員へ状況を聞きます。家族同士で直接相手を問い詰めるより、施設に経過と再発防止策の説明を求める方が、情報を整理しやすくなります。
相手の詳しい病歴など、施設が伝えられない情報もあります。その場合も、本人の安全をどう確保するか、どの時間帯に見守りや席の調整をするかは確認できます。
送迎や連絡の行き違いを減らす
迎えの時間帯、遅れる際の連絡先、家族が不在のときの対応、玄関や建物内での介助範囲を確認します。送迎の支援範囲は、建物の状況や契約内容によっても変わります。
「玄関まで来なかった」という場合も、契約で決めた内容と実際の対応を照らし合わせます。本人が安全に移動できない条件なら、曖昧なまま続けず、ケアマネジャーを交えて変更を相談します。
施設へ伝えるときのメモ
必ずこの順番で待つという意味ではありません。安全確保と必要な連絡は状況に応じて並行して行います。
連絡前に、次の4点を短くまとめると話が進みやすくなります。
- いつ、どこで、何が起きたか。
- 本人の言葉と、家族が確認した状態。
- 今回確認したいことと、次回までに必要な対応。
- 誰から、いつまでに回答をもらうか。
その場で解決できなくても、担当者と回答予定を確認します。説明を受けても改善しない場合は、ケアマネジャー、市区町村の介護保険担当、重要事項説明書に記載された苦情窓口などへ相談できます。国保連の介護サービス苦情相談が利用できる場合もあります。
連絡文の組み立て方の例
例えば、本人が帰宅後に送迎への不安を話した場合は、「今日、帰宅後に本人が乗り降りの際に怖かったと話しました。家族はその場面を見ていないため、当日の状況を確認したいです。次回の乗降方法についても相談できますか」と伝えられます。これは架空の連絡例です。
本人の言葉、家族が見たこと、施設へ確認したいことを分けると、事実を確認するための相談にしやすくなります。回答を受けたら、対応する担当者と変更する内容をメモし、次回の利用後に本人の様子を確認します。
家族だけで抱え込まない
トラブルを伝えることは、施設を責めることと同じではありません。本人の訴えを受け止め、施設の説明を確認し、次の対応を決めるための相談です。「何となく大丈夫と言われた」で終えず、具体的な変更と振り返りまで共有しましょう。
