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デイサービスに通いたがらない高齢者への声かけ・対応法

toshi

|現役施設長が教える“やってはいけない言葉”とその代替案


はじめに|「行きたくない」と言われて困っていませんか?

デイサービスの利用を勧めたときに、
「もう年寄り扱いするな」
「行かない、行きたくない」
と強く拒否されてしまうケースは珍しくありません。

本記事では、実際の現場でよくある「通所拒否」に対して、どのような声かけ・準備が有効なのかを、現役施設長の立場から解説、ご紹介します。


1. なぜ「行きたがらない」のか?よくある心理状態

課題の解決にはまずなぜ行きたがらないのか。この理由を考える必要があります。

高齢者がデイサービスを嫌がる背景には、以下のような心理が隠れている場合があります。

よくある理由:

  • 自分が「弱くなった」と認めたくない(年を取ったと思いたくない。)
  • 施設に通う=老人ホーム(弱った年寄りが通う場所)という誤解
  • 他人と関わることへの不安
  • 家族に迷惑をかけたくないという照れ

👉 ポイント:
「嫌だ」と言われた裏には、本音と建前のズレがあります。
心の底から本音を聞き出すのは難しいですが、時間をかければ大まかに「こういう理由か」と分かってくると思います。
見学に連れて行くのも一苦労といったことも珍しい事ではありません。

ご家族から「説得してください」なんて言われる事も日常茶飯事です。(笑)
こういった言動は全く持って恥ずかしい事ではありませんので正直にケアマネージャーや施設の担当者へ相談する事をおすすめします。


2. 実際によくある“逆効果”な言葉

ご家族が悪気なく使ってしまう言葉でも、逆効果になることがあります。

下記にあげる例は本当によく見聞きします。
「ついかっとなってしまって」という理由もよく分かりますがよく相手の気持ちを汲み取ってあげるようにしてください。

“親しき中にも礼儀あり”ですよ!

NGな声かけなぜダメか
「年なんだから行ったほうがいい」老人扱いされたと感じる
「施設に行かないと困るよ」脅しや責任転嫁と受け取られる
「他の人もみんな行ってるよ」自分の気持ちを無視されたと感じる

3. 効果的な声かけのコツ|“役割”を与える言葉

以前に別のタイトル記事でもお話しした事がありますが、高齢者の方は「自分が必要とされている」「誰かの役に立つ」といったか自分の行動に意味を見出します

皆さんもそうではありませんか?
自分の行動によって「誰かが喜んでくれた」「相手が必要としてくれている」そんな環境の方がやる気が出るのは当然です。

おすすめの声かけ例:

  • 「〇〇さんと仲良くなって、私に教えてね」
  • 「今日はリハビリを一緒に頑張ってきてくれると助かる」
  • 「職員さんもあなたのこと待ってるって言ってたよ」

👉 ポイント:
本人の「プライド」や「役割意識」に寄り添う言葉を選びましょう。
一番いけない事は突き放す事です。
「頑固だから」と突き放してしまうとスムーズに通所するまでに余計に時間がかかってしまう事になりかねません。
通所できたとしても施設側とうまく連携が取れないなど色々と弊害が出てしまいます。


4. 準備段階で家族ができること

声かけだけでなく、「仕組み」をつくる工夫も大切です。

事前準備の例:

  • 施設見学を“ついで”に連れて行く(病院帰りなど)
  • 知人や親戚から「行ってよかったよ」と話してもらう
  • 服装や持ち物の準備を本人にさせる(参加意識UP)

5. 通いたくなるきっかけを作る具体策

通所拒否は、最初の印象や本人の体験が大きく左右します。

ほとんどの方は数十年前の介護制度が作られたばかりの頃のイメージが先行してしまっている事が多いです。
今では運動をメインとしている施設やレクリエーションの内容も大きく変わるなど見違える進化をしている業界でもあります。

百聞は一見に如かずとは正にこの事では!と思ってしまいます。

見学する事で印象が変わり通所に興味を持たれる方も多くいらっしゃいます。
それでも頑なに通いたくないと仰る方には自宅へ訪問してもらうサービスもありますので介護保険を使った選択肢はとても広いという事を忘れないでください。

話がそれてしまいましたが、通いたくなるきっかけをつくる事はとても大切です。

通いたくなるきっかけ例:

  • レクリエーションや趣味活動の写真を見せる
  • 初日は家族が一緒に送迎に付き添う
  • 施設職員から事前に電話で「優しい声かけ」

👉 通ってみると:
最初の1〜2回を乗り越えれば、多くの方が「楽しかった」と仰っていただける事がほとんどです。
この辺りは施設の職員の腕の見せ所です!


まとめ|「行きたくない」は拒否ではなく、不安の表れという事も

高齢者の方がデイサービスを嫌がるとき、その多くは「サービス自体への不満」ではなく、環境の変化や孤独感からくる不安であることがほとんどです。

だからこそ、責めるのではなく、共感し、必要とされていると感じさせる言葉を届けるように意識してみましょう。

介護は、言葉1つで大きく流れが変わります。
今日の声かけが、明日の笑顔に変わるかもしれません。

相手に変わってもらう前に先ずは「自分が変わって」みましょう!

お困り事がありましたらお問い合わせフォームよりお気軽にお問い合わせください。


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LIFE-POWER
ケーさん
ケーさん
人生に力と彩を
高校まで野球一筋の人生。 強豪校で経験を積み怪我でプロの夢を断念。 経験を活かし柔道整復師の資格を取得。 接骨院勤務後、介護の道へと進み、大規模型の通所介護施設で施設長を4年務め社内の旗艦店へと成長させる。 様々な経験と知見を皆さんへ還元したいとの思いでブログ解説に至る。 趣味:野球、ゴルフ、スポーツ観戦、筋トレ
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