デイサービスに行きたくないと言われたら 理由に合わせた声かけと相談方法
家族にデイサービスを勧めたとき、「行きたくない」と言われても、すぐに説得の言葉を探す必要はありません。知らない場所への不安、活動の好み、体調、過去の嫌な経験など、理由によって必要な対応は変わります。
私は施設長として、ご家族から「本人に説明してほしい」と相談を受けることがありました。家族だけで抱え込まず、本人が何を心配しているのかを担当者と一緒に整理することが大切です。
これから利用する人と利用中の人を分けて考える
初めての利用を嫌がる場合は、施設で何をするのか分からないことが負担になっているかもしれません。一方、通っていた人が急に嫌がる場合は、体調、疲れ、送迎、人間関係などの変化を確認します。
どちらの場合も、「わがまま」「認知症だから」と理由を決めつけないでください。本人がうまく説明できないときも、嫌だという反応は確認すべき情報です。
答えやすい聞き方に変える
「なぜ行かないの」と繰り返すと、話し合いが対立になりやすくなります。大きな理由を一度に聞くより、具体的な場面を尋ねます。
| 本人の様子や言葉 | 確認したいこと | 声かけの例 |
|---|---|---|
| 知らない人ばかりで嫌 | 人数や初対面への不安 | まず職員さんと少し話すだけならどうですか |
| 子ども扱いされそう | 活動や接し方へのイメージ | どんな過ごし方なら落ち着けそうですか |
| 疲れるから嫌 | 体調、利用時間、送迎 | 一番疲れるのはどの時間ですか |
| お風呂が嫌 | 恥ずかしさ、介助方法、痛み | 入浴のどんなところが気になりますか |
| あの人が嫌 | 人間関係や職員の対応 | どんなことがあったか教えてもらえますか |
表の声かけは会話の例で、必ず通所につながる方法ではありません。本人の反応を見て、質問を減らす、時間を置く、別の人に相談するなど調整します。
避けたい伝え方
「年なんだから」「みんな行っているから」といった言い方は、本人が大切にしている気持ちや事情を置き去りにすることがあります。「行かないと家族が困る」と責める形になると、負担感だけが残ることもあります。
家族の事情を伝えること自体は大切です。「私も通院の時間を取りたいので、安心して過ごせる場所を一緒に考えたい」と、自分の必要としている支援として説明します。
別の場所へ行くと偽って連れて行くなど、だます形で進めることは避けてください。見学なら見学、体験なら体験と、本人が理解しやすい言葉で説明します。
見学や体験の負担を小さくする
施設へ、本人が不安に思っていることを事前に伝えます。短い見学、職員との面談、施設の写真を見るなど、どの方法が可能か相談します。本人が了承していれば、家族が同席する方法も検討できます。
趣味や以前の仕事、落ち着く話題を伝えておくと、施設側が会話のきっかけを考えやすくなります。ただし、本人が望まない役割を与えたり、「職員が困っているから手伝って」と事実と違う説明をしたりする必要はありません。
体験では、一日中参加できたかより、安心して過ごせた場面があったか、何が負担だったかを確認します。
利用中の拒否は施設の環境も見直す
家族への声かけだけを変えても、施設で困っていることが続けば解決しません。座席、活動、休憩、入浴方法、利用曜日、送迎時間など、調整できる条件を確認します。
本人の訴えにけがや怖い思いをした話が含まれる場合は、「慣れるまで待つ」で済ませず、事実と安全を確認します。急な体調変化があれば、通所の説得より医療相談を優先してください。
利用当日の朝に嫌がったときの確認順
無理に連れて行くための手順ではありません。緊急の症状がある場合は医療対応を優先します。
まず体調を確認します。いつもと違う痛みや強いだるさがあれば、通所の説得より体調への対応を優先します。体調に大きな変化が見当たらない場合は、「今日は何が一番気になりますか」と短く聞き、答えを急がせないようにします。
迎えの時刻が迫っているときは、施設へ早めに連絡し、本人の言葉と現在の様子を伝えます。欠席や時間の変更が可能か、担当職員と話す方法があるかなどを相談し、無理に車へ乗せることは避けてください。
その日の結論が欠席になっても、家族の失敗ではありません。落ち着いた時間に、何が負担だったのか、次はどの条件を変えられるかを担当者と整理します。
家族だけで説得を続けない
家族の言葉だからこそ反発する場合も、本人が家族にだけ本音を話せる場合もあります。ケアマネジャー、施設の相談員、地域包括支援センターなどへ、これまでのやり取りを伝えます。
相談時には「いつ嫌がるか」「本人が使った言葉」「試した対応」「家族が困っていること」を共有します。通所の回数や方法の変更、他の施設、訪問による支援なども含めて考えられます。介護サービスを調べる公式案内
通い始めることだけを成功にせず、本人が納得しやすい条件と、家族が介護を続けられる支援を探しましょう。
