一覧

デイサービスの連絡帳の書き方|家族が伝えたい変化と場面別の記入例

toshi

デイサービスの連絡帳を前にして、「何を書けばよいのだろう」「忙しくて長い文章を書けない」と迷うことはありませんか。施設へ伝えてほしいのは、上手な文章よりも普段と違う出来事や、いつもと違う本人の様子です。

夜間の救急受診、薬の変更、転倒や体をぶつけた出来事などは、翌日の支援や、体調が急に変わった際の対応に関わる情報になります。今は落ち着いているように見えても、起きたことを共有してください。

私は通所介護施設の施設長として、ご家族には、重要な変化を送迎ドライバーへ直接伝え、記録として連絡帳にも残していただきたいと考えています。この記事では、その理由と、短く伝えるための書き方を紹介します。連絡方法や確認のタイミングは施設によって異なるため、利用先の運用も確かめてください。

連絡帳に書くのは「普段との違い」と「現在の様子」

毎回、特別な話題を探す必要はありません。施設の指定欄を記入したうえで、食事、睡眠、体調、受診、薬などについて、普段と違うことがあれば伝えます。「こんな小さなことまで」と迷う変化も、施設での様子と合わせると、支援を考える手がかりになります。

家族から共有したい情報の例
出来事・変化 書いておきたいこと
夜間の救急受診・救急搬送 日時、受診理由、医療機関、説明や指示、帰宅後の様子
薬が変わった 変更日、変更内容、確認できるお薬手帳や薬の説明書の有無
転倒・体をぶつけた・あざに気づいた 日時、部位、実際に見た状況、本人の訴え、受診の有無
睡眠・食事・排泄がいつもと違う いつから、普段とどこが違うか、現在も続いているか
痛みや気持ちの変化がある 本人が話した言葉、家族が見た様子、困っている場面

例えば「元気がない」だけでは、どのような変化か分かりにくいことがあります。「普段は朝食を食べ切りますが、今朝は半分ほど残し、会話も少なめでした」のように、家族が確認できたことを書くと伝わりやすくなります。

夜間の救急搬送が共有されず、対応に苦慮した経験

私が施設長として経験した中に、ご本人が自宅で夜間に救急搬送されていたものの、その情報が施設へ伝わっていなかったケースがあります。翌日の利用中に体調が急変し、救急隊員との情報共有が円滑に進まず、スムーズな対応ができませんでした。

情報が伝わっていなかったことが、体調急変の原因だったという意味ではありません。ただ、前夜の出来事を把握していれば、救急隊へ伝えられる情報は違っていたはずです。この経験から、現在は落ち着いているように見える場合も、受診や搬送の事実を共有していただきたいと考えています。

ご家族も、夜間の付き添いや仕事、家事で疲れていることがあります。だからこそ、完璧な記録をお願いするのではなく、短い言葉でも伝わり、施設側が必要な情報を確認できる方法が大切です。これは筆者の実体験を、個人が特定されない範囲で紹介したものです。

消防庁の救急車利用マニュアルでも、救急隊へ伝える情報として、具合が悪くなった経過、持病、普段の薬、医師の指示などが挙げられています。連絡帳は診療情報の代わりではありませんが、家庭で起きたことを施設へつなぐ手段になります。消防庁「救急車を上手に使いましょう」(PDF)

大切な変化は、送迎ドライバーへの一言と連絡帳の両方で

忙しい朝に、毎回長く電話をすることが難しいご家庭もあると思います。私がお伝えしたいのは、送迎時に重要な出来事を直接知らせ、詳細を連絡帳に残す方法です。

口頭と記録をつなぐ、3つの確認
  1. 家族からドライバーへ
    「昨夜、救急搬送されました。連絡帳にも書いています」と要点を伝える。
  2. 連絡帳に記録を残す
    日時・出来事・現在の様子・医師の指示など、分かる範囲で書く。
  3. 施設内で担当者へ引き継ぐ
    ドライバーから看護職員や相談員などへ伝え、必要な確認につなげる。

通常の情報共有の例です。体調に不安があるときの利用可否を、ドライバーだけで判断する手順ではありません。

連絡帳だけでは、開いて確認するまで重要な情報に気づけないことがあります。一方、口頭だけでは、細かな時刻や説明が引き継ぎの途中で抜けるおそれがあります。最初の一言で注意を向け、記録で内容を確かめられるようにします。

伝えるときは、運転や乗降介助の最中を避け、安全に話せるタイミングを選んでください。他の利用者がいる場所では詳細を大きな声で話さず、「大切な体調の連絡があります。担当者へ引き継いでください」と知らせる方法もあります。

施設側にも、ドライバーが受け取った情報を担当者へ確実に伝え、必要に応じて家族へ確認する役割があります。「家族が書けば終わり」「ドライバーに伝えたから誰かが読むはず」で済ませず、受け取る側までつながる仕組みが必要です。

送迎を待たずに相談したい場合

夜間に救急受診・搬送され、翌日の利用について医師の指示が分からない場合や、朝も体調不良が続いている場合は、可能な限り送迎前に施設へ連絡し、必要に応じて受診先などへ確認してください。退院・帰宅できたことだけで、翌日の通所が可能とは判断できません。

意識がない、急な呼吸困難があるなど、緊急性が高いときは、連絡帳の記入や送迎車の到着を待たず119番通報を優先してください。連絡帳は、緊急の医療相談を受ける窓口ではありません。

短く書くなら「いつ・何が・今どうか・確認したいこと」

連絡帳は箇条書きで構いません。次の4項目から、必要なものを選んで書いてください。分からないことを埋めるために推測する必要はありません。

そのまま使える記入の型

  • 日時:
  • 起きたこと・普段との違い:
  • 現在の様子・医師からの指示:
  • 施設へ確認したいこと:

受診時の書類や薬の情報がある場合は、「説明書を同封」「お薬手帳を持参」などと添えます。持参方法は施設と確認してください。

同居していないなどの理由で分からない項目は、「昨夜の様子は未確認」「本人から聞いた内容です」と書けば、情報の範囲が伝わります。

場面別の連絡帳の記入例

以下は説明のために作成した架空の記入例です。そのまま事実として使わず、実際の日時や状況に合わせて書き換えてください。

1.夜間に救急受診・搬送されたとき

昨夜、体調不良で救急搬送され、○○病院を受診しました。帰宅後の様子と医師からの指示を別紙にまとめ、受診時の書類を同封しています。本日の利用について、出発前に担当の方へ確認したいです。

分かる範囲で、搬送された時刻、主な症状、帰宅した時刻、現在の様子を書き添えます。医師に翌日の通所について確認していなければ、「通所については未確認」と明記してください。入浴や運動などへの指示がある場合も、伝えられた内容を共有します。

2.薬が変更になったとき

昨日の受診で処方が変更され、本日から新しい内容で服用しています。お薬手帳と薬の説明書を持参します。施設で預かっていただいている薬についても、変更内容の確認をお願いします。

「薬が増えました」だけでは、何が変わったか確認できません。薬の名前を覚えていない場合は、記憶で書くより、最新の処方が分かる資料を使います。電子版の場合は、施設が確認できる方法を相談してください。

厚生労働省は、電子版お薬手帳を、服薬情報を管理し、医師・薬剤師と共有するためのツールとして紹介しています。連絡帳には変更があったことを記し、正確な内容はお薬手帳や説明書と合わせて伝えると整理しやすくなります。厚生労働省「電子版お薬手帳」

薬の変更後に眠気などの変化があっても、家族や施設だけで原因を断定したり、自己判断で薬を中止したりせず、処方した医師や薬剤師へ相談してください。

3.体をぶつけたり、あざに気づいたりしたとき

昨夜20時ごろ、居間で立ち上がった際に、右前腕を机にぶつけるところを家族が見ました。今朝、同じ場所にあざがあり、本人は触れると痛いと話しています。受診はまだしていません。施設でも確認していただきたいです。

場所と時刻、家族が見たこと、本人の訴えを分けて記録します。出来事を見ていない場合は、「本人は机にぶつけたと話しています。家族はその場面を見ていません」と書きます。原因が分からなければ、そのまま「不明」と伝えてください。

こうした情報は、施設がけがの経緯を確認し、事故や虐待などの可能性も含めて適切に対応するための手がかりになります。家族から説明があることだけで、あざの原因や虐待の有無を判断できるわけではありません。大切なのは、説明を合わせることではなく、確認できた事実を共有することです。

痛みや腫れなどが気になる場合は、連絡帳での報告だけで済ませず、医療機関への相談も必要です。

4.睡眠や食事が普段と違うとき

昨夜は何度か目が覚め、普段より眠れていない様子です。今朝の食事は、いつもの半分ほどでした。日中の眠気や食事の様子について、帰宅時に教えていただけると助かります。

「一日様子を見てください」と任せきりにするのではなく、いつから変わったか、現在はどのような状態かを伝えます。体調不良がある場合は、利用してよいかという確認を先に行ってください。

忙しい家族が、無理なく共有を続けるために

変化がない日は、短い記録でもよい

施設の指定事項を記入したうえで、特に変化がなければ「普段と変わりありません」と短く伝える方法もあります。毎日長文を書くことより、重要な変化があった日に情報を落とさないことを大切にしてください。

家族が不在の日の連絡方法を決めておく

送迎時に直接話せない日もあると思います。その場合は、施設が受け付けている電話や連絡アプリなどで、重要な情報をいつまでに、誰へ伝えるか決めておきます。連絡帳を置いておくだけで確実に伝わるとは限らないため、確認のタイミングも相談しましょう。

施設からの返答も、次の支援につなげる

施設から「昼食を残した」「入浴時に痛みを訴えた」などの記録があれば、帰宅後の様子と合わせて確認します。質問が連絡帳で行き違うときは、電話などで話す時間を相談してください。急ぎの相談を、次回の連絡帳の返事まで待つ必要はありません。

出発前に確かめたい4つのこと

  • 夜間の受診、薬の変更、けがなど、普段と違う出来事を書いたか。
  • 家族が見た事実と、本人から聞いた話を分けたか。
  • 重要な内容を口頭でも伝え、担当者への引き継ぎをお願いしたか。
  • 体調に不安がある場合、乗車前に利用について相談できているか。

連絡帳は、ご家族の文章力や介護の頑張りを評価するものではありません。家庭と施設が、それぞれの場所で見えたことを持ち寄るための記録です。小さな変化でも「念のためお伝えします」の一言から、次の支援につなげていきましょう。

この記事は、筆者の施設長としての経験と公的資料をもとにした一般的な情報です。連絡方法や利用時の確認事項は、利用先の施設と相談してください。

参考資料

参考資料確認日:2026年9月26日

関連記事

LIFE-POWERS
ケーさん
ケーさん
人生に力と彩を
高校まで野球一筋の人生。 強豪校で経験を積み怪我でプロの夢を断念。 経験を活かし柔道整復師の資格を取得。 接骨院勤務後、介護の道へと進み、大規模型の通所介護施設で施設長を4年務め社内の旗艦店へと成長させる。 様々な経験と知見を皆さんへ還元したいとの思いでブログ開設に至る。 趣味:野球、ゴルフ、スポーツ観戦、筋トレ
記事URLをコピーしました