高齢者が“家に閉じこもる”理由とそのリスク|現役施設長が伝える外出支援の大切さ

はじめに|家にこもりがちな親を見て、不安になったことはありませんか?
高齢になると「外に出たがらない」「予定がないからずっと家にいる」といった状況が増えてきます。
しかし、家に閉じこもる生活が長期化すると、身体的・精神的な健康リスクが高まることをご存知でしょうか?
本記事では、現役デイサービス施設長の立場から、
- なぜ高齢者は外出を避けるのか?
- 閉じこもりのリスクとは?
- 家族にできる支援の方法とは?
について分かりやすくお伝えします。
1. なぜ高齢者は外出を避けるのか?
「出たくない」のではなく「出づらい」理由が潜んでいることがある。
✅ よくある理由
- 足腰に自信がない(転倒への不安)
- 「人と会っても話が合わない」と感じる
- 天候や交通機関が不安
- 何かあったときに迷惑をかけるのが怖い
👉 高齢者は「迷惑をかけたくない」という思いから、行動範囲を自ら狭めてしまうことが多いのです。
また、よくあるのが「外出する理由が無い」という事です。
目的が無いため外出するといった手段を使おうとしません。
外出する事が無くても生活自体に大きな支障がない事が訴因となります。
昔はよく1日サボると取り返すのに3日掛かると言われたものですが、これはあながち間違いではありません。
特に下半身の筋力は私たちが想像している何倍もの速さで低下していきます。
プロのアスリートでさえリハビリで元の状態に戻すことは一苦労です。
普段から運動量が少ない方が外出をしなくなってしまうとどうなるのか。
想像するのは難しくはないと思います。
2. 家に閉じこもることによるリスク
🧠 認知機能の低下
外出が減ると、会話・刺激・変化の少ない生活になり、脳の働きが鈍ってしまいます。
💪 筋力・体力の低下
動かない生活が続くと、足腰が急激に弱くなり、転倒リスクが高まります。
上で解説したように特に下半身の筋力は想像以上のスピードで低下していきます。
😔 気力の低下・うつ状態
外の空気や人との関わりが減ると、気分が落ち込みがちになります。
日光を浴びる事で幸せホルモンとも呼ばれる「セロトニン」の分泌が促進され、心身の健康にとってとても良い影響があります。
逆に言えば普段から日光を浴びる生活をしていないと上記の様に鬱状態に陥ってしまう事にもなりかねません。
また、日光を浴びる事で骨の健康に不可欠なビタミンDの生成を体内で促すことができます。びたみんDはカルシウムの吸収を助け、コツへの沈着を促す効果が期待できます。
まさに心身ともに必要不可欠な習慣と言えるでしょう。
3. 家族にできる外出支援のコツ
無理やり外に連れ出すのではなく、「自然に出たくなるきっかけ作り」が大切です。
✅ 効果的な支援方法
方法 | 具体例 |
---|---|
目的を持たせる | 「買い物に付き合って」「季節の花を見に行こう」など、明確な目的をつける |
小さな外出から始める | 家の前や庭での散歩、ゴミ出しの付き添いなどから始める |
成功体験を積ませる | 「行ってよかったね」「助かったよ」と声をかけ、本人の達成感を大事にする |
会話相手を用意する | 近所の人、家族、施設スタッフなど“誰かに会う予定”を作る |
4. デイサービスという選択肢も視野に
外出習慣をつける手段として、デイサービスは非常に効果的です。
高齢者に対しては、とにかく「きっかけを与えてあげる」事が何より大切です。
そしていかに習慣化するか。これに尽きます。
デイサービスへの通所はこのきっかけと習慣化。2つの効果に期待できます。
デイサービスについて気になる方は初めての通所介護(デイサービス)利用ガイド
- 毎週決まった時間に外出する習慣ができる
- 他人との交流で刺激を受ける
- リハビリやレクリエーションで身体も頭も使える
- 家族にも“安心の時間”が生まれる
👉 「まだ早い」と感じている時こそ、短時間・体験利用から始めてみる価値があります。
まとめ|“外に出るきっかけ”を一緒に探しましょう
高齢者が家にこもるのは、サボっているのではなく「不安」や「自信のなさ」が原因である事も。
だからこそ、家族や周囲のサポートで、少しずつ外の世界とのつながりを取り戻すことが大切です。
繰り返しになりますが、とにかく「きっかけを作り」「習慣化する」これに尽きます。
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