通所介護に通わせる家族が最も気にする5つのこと|現役施設長が答えます
介護施設を選ぶとき、サービス内容や料金はもちろんですが、「大切な家族を本当に安心して預ける事ができるのか?」という不安を多くの方が抱えています。
私は現役の通所介護施設長として、これまで多くのご家族と面談し、同じような質問を何度も受けてきました。
今回は、実際の現場でよくいただくご質問の中から、家族が最も気にする5つのポイントについて、施設長の立場からわかりやすくお答えします。
✅ ①:職員はどんな人が働いていますか?
多くのご家族が「優しいスタッフがいるかどうか」「頑固なうちの者と接する事ができる方はいますか」などとても気にされています。
通所介護では、介護福祉士・初任者研修修了者・看護師など、一定の資格を持ったスタッフが配置されています。
中には意地悪なスタッフがいる事は残念ながら否定はできませんが、私の経験上みなさん介護という仕事に誇りを持って働いて下さっております。
施設長視点の補足:
「資格」以上に大切なのは「人柄」や「利用者との接し方」です。
当施設では、採用時に「技術」だけでなく「思いやり」「声かけの丁寧さ」なども重視しています。
人と人との関わり合いの中で高齢者の方に生活をしていただくわけですから、やはり個人を尊重した声掛けや介助を行う。そんな事を定例会議などでも口酸っぱく伝えています。
最近はひとつひとつの施設の質が向上していると感じる事が増えてきていますので安心して施設に通わせて良いと思います。
✅ ②:他の利用者さんとの関係は大丈夫?
「人間関係がうまくいかないのでは?」という不安は当然です。
特に認知症などの症状がある方では「周囲の方に迷惑をかけるのでは…」などと考えてしまう事でしょう。
実際わたしも、そういった質問を受ける事が非常に多くあります。
とても親切ですよね。自分の家族よりも周囲の人を気遣う。本当に腰の低い方が多いです。
ですが安心してください。座席の配慮や職員が間に入り会話を促すなど様々な対応方法があります。
実際の対応例:
職員は常にフロアの様子を見ており、関係性の摩擦が起きそうな場面ではさりげなく間に入るようにしています。
また、座席配置や活動グループを調整することで、自然な距離感を保つ工夫もしています。
ご利用者全員に気持ちよく過ごしていただく環境を作るのも施設の仕事です。
✅ ③:体調が急変したときの対応は?
「デイサービス利用中に具合が悪くなったらどうするの?」というご質問もよくあります。
当施設では、看護師が常駐しており、バイタルチェックを通じて日々の健康管理を行っています。
しかしながら、どんな方でも急な体調不良になる可能性はあります。
安心して利用していただくために事前に持病や病歴などを細かく施設側へ伝えておくようにしましょう。
仮に救急搬送をする事になったとしてもスムーズな対応を行うことができます。
緊急時の流れ:
- 看護師が判断し、必要に応じて救急要請
- ご家族へ即時連絡
- 利用者の搬送に職員が付き添う場合もあります
✅ ④:食事やトイレ介助はどこまでしてくれますか?
「本人は要介助ですが、どこまでお願いできるのか?」という点も重要な確認事項です。
また、ご家族によっては「可能な限り手伝ってほしくない」といった要望をお持ちの方もおります。
自立を促すことは施設の役割でもありますので、そういった要望は基本的には受けてもらうことができます。
通所介護で対応できることの一例:
- 配膳・見守りだけでなく、全介助も可能(排泄・移動含む)
- 食事形態(刻み、ミキサーなど)の個別対応も行います
- 排泄は「時間介助」「トイレ誘導」「おむつ交換」いずれも対応可能
✅ ⑤:金銭トラブルや持ち物の紛失が心配…
通所介護では、財布・現金・貴重品は原則持ち込まないことが推奨されています。
それでも「忘れて持ってきてしまい」「誰かに取られた?」と誤解されてしまう場面も実際にあります。
わたしも過去には警察を呼ばれてしまい事情聴取を受けたことがあります。
金品類の持ち込みは必ずと言っていいほどトラブルの原因となりますのでご注意ください。
現場の対策:
- 玄関で財布・貴重品はお預かりし、鍵付きロッカーへ保管
- 個別の持ち物管理表を作成
- 紛失や誤配の際には、記録と報告体制を整えています
✅ まとめ:ご家族の不安は「仕組み」と「人」で解消できます
ご家族が気になるのは、「施設へ預けることへの罪悪感」や「本当に安全か」という思いが大半です。
現場では、ただ機械的に介助するだけでなく、人としての関係性・信頼関係の構築を大切にしています。
ぜひ、気になる施設があれば、「実際に見学する」「職員と話す」などして、安心できる判断材料を集めてください。
気になる事や相談したいことがある方はお気軽に問い合わせフォームよりお問い合わせくださいね!